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唐津街道と糸島のソウルフード牧のうどんについて


糸島が誇るソウルフードといえば、そう、牧のうどんですよね!
かくいう私も、生まれた時から外食といえば牧のうどんだったので、うどん屋といえば牧のうどんしか知らなくて、牧のうどん以外のうどん屋に行くと、なにか物足りなさを感じます。今日は、そんな牧のうどんの話をいたします。
糸島の人は、牧のうどんが「牧」という場所に本社があるので牧のうどんっていう名前というのは普通に知っていますが(知っていると思いますが・・・)その他の地域の人にこの話をすると、意外に知られていなくて、牧さんという人が始めたとかいう間違った情報が流れているので、それを正すためにも地図を用いたりして牧のうどんについて書いてみます。

糸島の真ん中を東西に通る唐津街道は、福岡藩の西端の前原宿を西へ向かうと、藩境の多久川を渡り中津領(幕府領より唐津領を経て享保二年より中津領)に入ります。それより丘陵(現在は切り通されている)を越えると通行手形を改めていた赤坂関番所があり、その先の長野川を渡ると左に川に沿って唐津街道が通っていました。現在は、国道202号線が加布里の方にのびており、この部分は赤坂交差点になっています。川沿いの唐津街道を進むと、道が緩やかに右に旧道になっていますが、この場所が牧という集落です。牧集落のすぐ北側に犬石という集落があります。ここにはかつて薬鉱泉があり、糸島では二丈吉井の貴船湯(まむし湯)と志摩櫻井大口濱にあった湯の三つが有名であったそうです。

旧道に入る角の部分が牧のうどん本社の畑中製麺所。

看板の下に置いてあるでかい羽釜には蔦が覆い尽くしています。
牧は、江戸時代に一里塚があって槙の木が植えられていたのでマキという集落の名前になったのではないかといわれています。深江宿と前原宿の中間にあり、殿様に湯茶の接待をした場所があったそうです。

旧道に入ってすぐ塞の神が祀られています。

牧集落は、街道に沿って民家が並んでおり街道の風情が今でも残っています。

集落のほぼ中央付近に秋風塚という石碑があります。江戸時代前期の俳諧師松尾芭蕉の句碑で、芭蕉は九州に来たことはありませんが、芭蕉の没後、門弟たちが供養のために九州各地に句碑を建立しました。牧の句碑には「もの言えば唇寒し秋の風」「帷子は薄き者なり秋の風」と記されており、芭蕉の門弟の秋川舎紗梅という人物が天保二(1831)年に建立しました。芭蕉句碑は、加布里の天満宮にもあります。

このような古い民家も建っています。牧は、江戸時代後期に筑前国怡土郡中津領の大庄屋がいた神在村の枝村であり、神在という名の由来は、昔、神功皇后が三韓征伐の際に通られる時、この場所に紫雲がたなびいていたので、彼の処には神がおられるといわれたのが地名のおこりといわれています。神在本村にある神在神社では、十月の秋の大祭の時、現在は福吉や深江で見られるような大名行列の神幸を行っていたそうです。牧の集落から神在神社までを練り歩き、神社に詣でた後は神在組庄屋・元神在組庄屋の納富氏、藤瀬氏宅に立ち寄り、行列の手並みを披露して饗応を受けて帰ったそうです。この神幸は戦争中に中止され、その後も再開されなくなったため、その道具一式は伊都国歴史博物館に寄贈されています。

さて、話はかわって、牧のうどん本店は国道202号線沿いにあります。
以前はこの辺りはほとんどが田んぼで、田んぼの真ん中に「龍松」という枝ぶりの良い大きな松の木が立っていたそうです。神在橋のたもとにも、道端に松の大木が二本あり、龍松と二本の松は、地域のシンボルだったそうです。あるとき、長野川から龍が出て二本の松に登り龍松へなぎ渡って巻き付き、天に昇ったとの言い伝えがあり龍松と呼ばれるようになったそうです。龍松は、昭和三十年代の終わりに松食虫の害によって枯れてしまいましたが、史実では、長期間にわたる幕府領岩本村と中津領神在村との境揉めが落着した記念の松であったそうです。

この龍松のあった付近は、戦後になって国道202号線が開通し、昭和40年頃にはだんだん車の通行が多くなってきました。そして、昭和48年に、この場所に牧のうどん加布里本店が出来て現在に至っています。

僕は小さいころから牧のうどん加布里本店に行っていて、明治生まれのひいばあちゃんは、必ず甘い汁の肉うどんを頼んでいた事を覚えています。お店の人はやめてほしいと思っているでしょうが、ネギはこのように山盛り入れて、

ネギを底に沈めて煮やすのが流儀です。

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  • 2018.10.20 Saturday
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